株主・投資家のみなさまへ

上半期の総利益は過去最高、売上高は過去2番目の数字に

第65期(2025年3月期)上半期のご報告を申し上げます。当社グループと関わりの深い界面活性剤業界では生産数量・販売数量ともにほぼ前年並みだったものの、販売価格は前年よりやや上昇傾向にあります。主要オレオケミカル製品の原料となるパーム油・パーム核油といった天然油脂の相場価格は、ここしばらくは低値で推移していましたが、2024年春先から少し上昇し、当社一部取扱い原料も価格改定を行うことができました。

そうした背景のもと、当社グループの全ての事業部門で予算比・前年比を上回る売上高・セグメント利益を実現しました。中核事業である化学品事業が順調に推移したことに加えて、特に土木建設資材事業が好調で売上高・セグメント利益ともに大きな伸びを見せ、業績に寄与しました。

この結果、当社グループ全体の業績は、売上高12,286百万円(前年同期比10.6%増)、営業利益308百万円(前年同期比30.8%増)、経常利益407百万円(前年同期比16.7%増)、親会社株主に帰属する中間純利益282百万円(前年同期比14.5%増)となりました。売上高は過去最高となった第63期には及ばなかったものの、それに次ぐ業績であり、総利益は上半期として過去最高を更新しています。

土木建設資材事業が好調、日用品事業では新商品上市も

次に、セグメント別の取り組みについてご説明します。

化学品事業は、従来から最終商品生産メーカー様への展開や海外ケミカルの輸入販売に注力し、事業展開しております。また、この上半期は天然油脂の相場価格の上昇とそれに伴う高級アルコール等の一部価格改定が業績に寄与しました。その他、中国経済の不安定さは変わらない中でも、お客様の中国向けビジネスが少しずつ回復したことで当社グループの販売増加につながりました。

環境ソリューションビジネスでは、大浴場の床を掃除する特殊な泡洗浄機が新たに採用され、前期から取り扱いをはじめたスクラバー(排ガス処理装置)でも大きな案件が決まり、利益に貢献しました。同じく前期から取り扱いをはじめた節電機器についても2件のテスト導入が決まりました。節電によってCO2削減につながることから高い関心を寄せていただいています。ニオイ(脱臭)と水だけでなく、節電、衛生といった新たなラインナップが加わり、お客様の困りごとを解決する環境ソリューションビジネスが確実に育ってきていると感じています。

日用品事業では、原材料のコスト上昇によって厳しい状況は続いていますが、価格改定に努めました。洗濯槽クリーナーや冷蔵庫の脱臭剤といった一部定番商品の売行きは順調で、その他、上半期には若手人材の発案により新商品を上市することができました。天然成分を利用した虫の忌避剤を量販店向けに展開し、好調な販売となりました。現在は異なる虫の忌避剤への応用を進めているところです。また、当社Webショップでは、防災対策グッズも好調で、ニーズを的確にキャッチアップし、タイミングよく商品を出せる体制になりつつあると考えています。

土木建設資材事業では、鉄道の大型トンネル工事の物件を継続受注できたことで、環境関連薬剤の販売が好調となり、業績に大きく貢献しました。他に、東京外かく環状道路工事や地盤改良工事も回復基調で、2次販売店と協力しながら取り組んでいます。

海外拠点では、子会社であるタイのSTTは売上高・総利益とも前年実績を上回る結果となりました。同じく子会社である中国の昭栄祥は、中国国内の景気低迷の影響を受けつつも比較的順調で、回復基調にあります。

展示会出展を続け、問題解決に役立つ昭栄薬品をアピール

数年前に環境ソリューションビジネスに着手して以来、当社では、各種展示会に積極的に出展しています。9月にはインテックス大阪で開催された製造業の展示会「ものづくりワールド」に、10月にはポートメッセなごやで開催された日本最大級の異業種交流展示会「メッセナゴヤ2024」に出展しました。回を重ねるにつれて徐々に実績が上がるのはもちろん、社員のモチベーションが上がるという効果も生んでおり、継続することが大切だと感じています。

また、SDGs活動の新たな取り組みで一般社団法人ETHICAL EXPO JAPAN(エシカルエキスポジャパン)とタイアップし、Z世代と企業のコミュニケーションを促すイベントを協働で周知・展開することとなりました。当社の商社機能の強みを活かし、パイプ役となって若い世代と大企業や老舗企業をつなぐことで、お客様のイノベーションに貢献できればと考えています。こうした取り組みを通して、さまざまな場面で存在感・信頼感を高め、「一番にお声がかかる選ばれた会社」となるよう努力を続けます。

不確実な状況のもとでも着実に進み続けて利益確保へ

第65期下半期の経済環境は、不確実でハイリスクな状況が続くと考えられますが、上半期の実績や足元の事業環境、現時点で入手可能な情報などを鑑み、2024年5月13日に公表しました通期の連結業績予想を修正いたしました。その結果、第65期通期は増収となることが見込まれます。

前期に導入した株主優待制度はおかげさまで好評をいただいており、今後も個人投資家様向け会社説明会をはじめIR活動を継続してまいりますので、株主の皆様におかれましては、引き続きご支援・ご協力を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。